Columnコラム

【人材育成】部長育成と課長育成の違い

UPDATE:2009/07/13

部長と課長の違い

部長に求められる役職定義が明確になっていない企業が実に多い。
管理職ということで、求められる能力が課長とひとくくりになっている場合も多い。

課長は、現場で成果を出し、職長としてOJTで現場の成果を最大化するという期待が大きいので、
課長に昇進してからマネジメントを学ぶという傾向が多いが、部長はどうだろうか。

部長の役割は根本的に課長と異なる。

部長は経営職に位置づけられ、トップマネジメント視点が求められ、課長は現場管理職、ミドルマネジメント視点となる。
トップマネジメントの中心は外部適応で、変化に対する対応、有効な投資、ミドルマネジメントの中心は内部統合で、
社内秩序の運用徹底、効率的な回収となる。

そうすると部長の中心となる役割は、①戦略による事業の方向づけ、②革新・変化に対する判断。③将来に向けた課題設定
④仕組みを通じた間接的組織運営である。

それに対して課長の主な役割は、①戦術による現場の実行管理、②例外処理による柔軟な対応、③現場で起こる問題解決
④直接的部下指導・育成となる。

 

経営人材の育成

課長昇進もそうであるが、優秀な課長が優秀な部長になるとは全く限らない。
しかし、経営幹部(部長)育成プログラムを体系化している企業は実に少ない。
研修会社も部長研修はあまり持ち合わせていない。

(プロの目で調べてみても適正なものが本当に少ない。そもそも部長以上の経験者は市場にきわめて少なく、
上記のように明確に整理できるコンサルタントもどれだけいるだろうか。)

そのことが日本の経営人材不足の原因になっていると考えられる。優秀な経営職が少なすぎる。
これからの企業の命運を握るのは、経営職の質と数とみている。

従って、計画的に育成しないと、適性人材の入れ替わりができない、事業変革が遅れる。
現状ではほとんどの企業の組織階層で、40歳で勝負がついてしまっている。
経営人材の育成は、単なる知識・スキル習得だけではなく、「場の経験」を必要とするので、3年以上の教育投資期間を必要とする。
よって、エネルギーのある30代半ばからの選抜教育が必要である。

3年後の組織図は書けるか?3年後の事業責任者は誰か?経営人材が育たないと事業変革は進まない。
先を見据えた計画的な人材育成が急務と考えられる。

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