UPDATE:2019/02/22
30名の壁
組織の面から考えると、30名の従業員数と100名の従業員数には確実に壁が存在します。
世の中の企業殆どが30名以下である。おそらく30名とは、社長一人で仕切れる限界範囲なのです。
社長一人で頑張る。他は社長の顔色を見て行動する。自分の頭で考えるなんて事はない。社長との関係性を保つ術だけが巧みになっていく。まれに優秀な幹部が外部から加わっても、優秀であればどこかで社長とぶつかって辞めていき、サラリーマン的バランスに長けている幹部だと期待ほどの新しい事はやらずに、埋もれながら長居する。
業績が好調で、従業員が50名近くになると、いつも組織的課題を抱え、前に進まなくなり、なぜか管理コストが上がる。いつの間にか、また30名くらいに戻る。
社長一人とその他からの突破
30名くらいの会社は、社長一人とその他と言う「文鎮型組織」です。
社長のみが頭脳であり、すべてのエンジンです。従って見える範囲も限られてきます。
ここを突破するには、階層を設け、先ずは課長クラスの育成しかありません。
部長クラスと課長クラスの違いは、管理単位で、課長の管理単位が社員10名以下のマネジメントです。
その課長クラスの人数で、会社(組織)規模が決まってきます。1人前の課長(マネジメント)が3人以上いると、30名を超える規模が実現できます。
その中で次の階層として部長(役員)クラスが3人以上できると100名の壁まで進むことができます。
部長クラスとは、社員30名以上の単位を統括できるマネジメント力を持つ幹部のことです。
なぜ、3人かというと、企業組織の基本構成が3つに分かれていて、コア技術・開発・生産部門、営業・マーケティング部門、経営管理部門となります。
この3部門に責任者が育つと、社長が将来の事に手を打つ余裕ができます。現場の問題解決から将来の課題解決に移れる訳です。
私は、リクルート時代も含め、25年以上も中小企業の盛衰、組織成長の基本原理を確かめてきました。そして経営者を支援しています。
100名以上の組織を目指す場合は、商売を事業に成長させ、事業の柱の分散、そしてそれを支える事業部門長の数、仕組み・制度の構築によって組織拡大できる事になります。大きな商売の積み重ねだけでは寿命が短いのです。
【コンサルタントプロフィール】
和田一男 (株式会社ブレインパートナー 代表取締役 組織変革・営業変革コンサルタント) 北海道小樽市出身。(株)ヒューマン・キャピタル・マネジメント取締役。大学卒業後、1985年(株)リクルート入社。2000年独立し、(株)ブレインパートナー設立、代表取締役就任。経営力強化、実行力強化支援、営業力強化コンサルティング、実行機能としての組織構築、組織変革コンサルティング、人材育成、人事評価制度構築、目標管理制度運用支援を行っている。著書「30歳からの営業力の鍛え方」(かんき出版,2006年)、「ドラッカー経営戦略」(明日香出版社,2012年) |