UPDATE:2019/06/06
「働き方改革」の波紋が中小企業まで大きく及んでいるように思います。加えて、パワハラ防止法も可決、成立し、職場のコミュニケーションや人間関係もさらに神経を使うことになると思われます。実際、管理職研修を行っていても、部下との接し方やコミュニケーションにビビってしまっている管理職も少なくありません。
企業として、職場の問題を未然に拾い上げるために、“従業員満足度調査”、“モチベーションサーベイ”、“360度調査”、“働きがいのある会社調査”、“エンゲージメント調査”などを行っている会社も多く見られます。
調査をすることは悪くはないのですが、そもそも会社として伝えるべきメッセージは整理され、社員に意識されているのでしょうか。
「会社は社会の何に貢献し(役割を持ち)」
「我が社は何を重視して行動すべきか(判断基準)」
「会社として何(あるべき姿)を目指しているのか」
それらのことと照らし合わせて始めて、個人の「仕事を通じて何を得られるか」「何を目指すか」「どう成長していくべきか」が明確になり、モチベーションの源泉が生まれ、コミュニケーションが活性し、部下の自己成長意欲が高まると思います。すなわち、会社から発せられるウェイ(ミッション、バリュー、ビジョン)が先で、それに共感して現場の社員が働きがい・主体性を持つという事だと思います。社員の価値観も絞ることができます。
働きやすい職場づくり、研修を行う、人事評価制度を構築する、PDCAを強化する、多様性を認めるなど、1つ1つは重要なことです。しかし優先順位としては枝葉の問題であって、会社として重要なのは、幹となるウェイマネジメントを強化し、その浸透施策として様々な制度作りを行う事が、変化の激しい5年後、10年後の環境に適応し、事業スピードを速めていくことにつながることと思います。
【コンサルタントプロフィール】
和田一男 (株式会社ブレインパートナー 代表取締役 組織変革・営業変革コンサルタント) 北海道小樽市出身。(株)ヒューマン・キャピタル・マネジメント取締役。大学卒業後、1985年(株)リクルート入社。2000年独立し、(株)ブレインパートナー設立、代表取締役就任。経営力強化、実行力強化支援、営業力強化コンサルティング、実行機能としての組織構築、組織変革コンサルティング、人材育成、人事評価制度構築、目標管理制度運用支援を行っている。著書「30歳からの営業力の鍛え方」(かんき出版,2006年)、「ドラッカー経営戦略」(明日香出版社,2012年) |