Columnコラム

新規事業の成功確率を高める3つの仕組み

UPDATE:2024/06/06

新規事業創出を一部の天才のひらめきに頼らないようにするためには、継続的に新規事業を産み出す仕組みの標準化が必要となります。
仕組みとは、人材教育、挑戦できる場づくり、事業化基準、事業化評価、事業化支援の組織的対応です。
前のコラム「新規事業を成功に導く3つのステージ」では、3つのステージで求められる成果と能力が異なる解説をいたしました。
その3つのステージで仕組みづくりを行い、3つのステップで育てることで新規事業の成功確率を高めたいと考えます。

 

以下、3つのステップに必要な仕組みです。

 

<リクルートの新規事業開発>
社長がいくら号令をかけても、優秀な社員に新規事業を任せても、中々新しい事業は生まれてきません。
私が卒業したリクルートでは、「NEW RING」という社員グループによるインキュベーション事業提案の仕組みが毎年実施されていました。
毎年社員から600以上の事業プランが集まり、その中から、カーセンサーやゼクシー、ホットペッパー、スタディサプリなどが産み出されています。

この「NEW RING」が①とした場合、②は通過プランの3年間のフィジビリティスタディ期間です。
その中で四半期ごとに報告・戦略修正を行い、単年度黒字化と格闘します。
②をクリアし、③に向けては、「言い出しっぺが責任者(事業部長)」として、事業化に取り組むための人と組織と予算が与えられます。
というような手順を毎年繰り返し、風土醸成、成果・成功失敗ノウハウ、勝ちパターンを蓄積させていたのです。

もちろん日の目を見ることのない、数多くの屍を築いてきたことも事実です。
風土も準備もなく、経営者の思い付きや流行で3~5の新規事業を立ち上げていくら号令かけても、宝くじより低い確率になることが理解できることと思います。
新規事業は多くの数(量)から産み出されること、産み出す仕組みを継続させることが重要なのです。

 

 

【コンサルタントプロフィール】

wada 和田一男
(株式会社ブレインパートナー 代表取締役 組織変革・営業変革コンサルタント)
北海道小樽市出身。(株)ヒューマン・キャピタル・マネジメント取締役。大学卒業後、1985年(株)リクルート入社。2000年独立し、(株)ブレインパートナー設立、代表取締役就任。経営力強化、実行力強化支援、営業力強化コンサルティング、実行機能としての組織構築、組織変革コンサルティング、人材育成、人事評価制度構築、目標管理制度運用支援を行っている。著書「30歳からの営業力の鍛え方」(かんき出版,2006年)、「ドラッカー経営戦略」(明日香出版社,2012年)

 

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